□よせやい!□

たまに鼻につく

なぜか?

 

魔法が解けたせい?

自分で閉ざしたから?

 

魔法を解いたのはそっち

残るささやかな未練が矛盾を壊わしたがる

 

それでもたまに尊敬

なぜか?

 

賢いんだかいい加減なんだか?

善良なんだかそうじゃないんだか?

 

綻びを繕う役目はそっち

破れを素直に認めようとしないのはこっち

 

包帯じゃどうすることも出来ない

頭の中で反響し続ける七つの音

 

眼帯じゃどうすることも出来ない

瞼の裏で漂っている破壊と情熱の躍り

 

   □機器は危機□

ピンと来ないのは

わたしのアンテナが

錆び付き

壊れてしまったからでしょうね

 

 

送信側の

出力は前と同じか

量や質はどうか

きっと落ちるはずはないでしょうね

 

 

古い受信機のversion upが不可能だとしたら

どんなやり方があるというのか

危機的な状態といえそうで

誠に困ったことになっていますねえ

   □世界で二番目の馬鹿□

知らなければ良かった

知らなければ良かったね?

知らなければ・・・夢は続いた・・・?

 

 

本当にそう?

本当にそう思う?

いくら考えても・・・よく分からない

 

 

たやすく失望して

こんなにもたやすく落胆して

ため息つきたくなるほどたやすく傷ついて・・・

 

 

今なら確かなものなどないと言う!

今なら・・・わざと見ないふりしたと言う

今なら・・・目も耳も塞げと言う

 

 

もう元には戻れない

潰した指を切り落としたところで

なくなった指先はいつまでも疼くというし

 

 

ノートにつけたシミならそこだけ破り取ればいいというが

無かったことには出来ない

シミは確かにあったという事実は変わらない

 

 

それでも・・・偽の指をくっつけて

使いかけのノートを広げてみる

やれやれ・・・鏡の中からわたしを見てる世界で二番目の馬鹿

 

 

   □桜花□

桜がいい

一番いい

 

 

ひとつひとつは慎ましく愛らしく

けれど寄り集まれば豪華絢爛で艶やかで

はたまた潔さと質実さの散り際で

なのに花吹雪は優雅でしなやかで

 

 

その短い花のときのために残りの一年がある

年中この美しい花を愛でられたら嬉しいのだけど

それじゃあ木が疲れちゃうし

桜花という値打や尊さが薄まるのかな

 

 

最高の成果のため

最高の一瞬のため

人も桜も

じっくりじっくりと準備を重ねながら生き抜いてるってことかな

   □自分・・・その心□

ときどき独りになりたくなる

全てから解かれ離れたくなる

 

 

独りは意外と好き

自分の時間を誰に邪魔されることなく

誰かの煩いになることなく

 

 

独りは意外と心地よい

いちいち何かにおもねることなく

何かに面倒かけられることなく

 

 

ほんとは寂しいでしょうに って?

痩せ我慢は辛いでしょうに って?

 

 

孤独は自ら選び向かうもの

寂しさは自分の意図しないもの

 

 

人並みの関わりだって深い関わりだって持つが

それに疲れてしまった時はみな置き去りにして

自分だけにかかずらわっていたくなる

時には自分さえ放り出し

自分をやめてしまう時間が必要に感じることもある

 

 

オーバーヒートなら冷却する時間が必要だし

燃料が切れそうなら補充しなくちゃならない

 

 

機械とは違う

たぶん精密機械より複雑な構造

心は

人との関わりでエネルギーが補充されることもあるし

人との関わりが消耗させてしまうこともある

なんとも面白いものじゃないか

 

 

 

 

 

 

 

 

   □答はなんだ□

わたしが生きたって証拠 なんなのさぁ

 

 

地下の生物並みに地味に

そして人並みに適当にそれなりに地道に

アホらしいくらい後悔の印象に振り回されちゃって 

どこにでも生えてる雑草よりもありふれちゃって

 

 

わたしがわたしって証 なんなのさぁ

 

 

日が昇り日が沈むのような当たり前に

あまり疑問を感じることもなく

おまけにときどき他者の意見に引きずられちゃって

まるで自分が導き出したことのように勘違いしちゃって

 

 

風と水が合わされば

嵐になるしかなかったとでも?

九つの本当と一つの嘘が合わされば

純粋には程遠いとでも?

 

 

水は甕に酒は樽に収めるけど

風はどこに収めるもの?

躊躇の海に尻込みした影って

わたしが生み出した幻?

 

 

屠殺場へ押しやられる家畜のように

世の中に飼われてるって?

次から次へと新しいもので食い太り

気がつけば食われて終わるって?

 

 

一度は到達したはずの場所も今思えば正解だったと言えるのか

考えているとひどく消耗してしまう

ここじゃもし転んだとしても磔になる訳じゃなし

 

 

結論に辿り着けず終わったっていいじゃない

まとまりのないこの詩のように

やれやれ わたしって一体 なんなのさぁ・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

   □時の遺児□

自分は同じところから抜け出せずにいるよう

まさかの置いてきぼりなど望んでる訳ではないが

 

 

誰かならとっくに先へ行ったよう

夢に生き続けようとする者には過去など枷になるだけなのだから

 

 

もし恥ずかしげもなく自己弁護を許されるならば

たった今掘り出したばかりの化石のように

ひんやりとした剥き出しの傷痕にも

確かにそれなりの情理はあると

 

 

形のないささやかな特別がたぶんあって

人が思いつく限りの何かで遮ろうとも

例えば水が

やがては低い所に戻り混ざり合っていくように

確かにそれなりのそれがいつかはと

 

 

何事か善き事をなす者は

空の端々にまでその思いを並べ雨に含めて降らせるだろう

 

 

何かの特別を信じる者は

小さな爪痕を残そうと言葉の海に溺れあがくだろう

 

 

 

時はすべての神 時はこの世のすべての父母(ちちはは)

すべての出来事こそわたしの父母 わたしは過ぎ去った時の子供 

 

 

定規の目盛りより正確に刻まれる時の懐で

生きられる限り生きたなら

時の息子も時の娘も

幸せだったと言いたくなるのだろうか