desi-kamo’s diary

単なる渾沌形独り言

   □哀歌□

 

 

吹きすさぶ冷たい風に

次々と

木の葉が散らされるから寂しい

 

 

わたしの心は凍え

ひび割れ

バラバラとちぎれていく

 

 

君はその輝かしい人生を

わたしの前で

ビリビリと破り捨ててしまうから悲しい

 

 

わたしの想い出はひどく渇き

野火のように

パチパチと燃え広がっていく

 

 

君と共に

希望は

粉々の灰になっていくのか・・・

 

 

怒りはない

侮蔑もない

ただ

じわじわと説明のつかない感情に染められていく

 

 

切なさなのか・・・空しさなのか・・・

 

 

壊れた君の部品を

補う部品はどこにあるのだろう

一緒に捜して・・・いたのにね

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

   □羊、その遺産□

 

 

夢が夢か

今が現在(いま)か

混乱してしまいそう

 

 

夢が現在(いま)か

現在(いま)が夢か

戸惑ってしまいそう

 

 

悩みの その時その時

指針になっていたものが

狂った地場のコンパスだった・・・って?

 

 

わたしに答えを示すコンパスは いつも間違わなかったと思う

あの頃に後悔はない

多少は虚勢混じりにでもわたし 胸を張りたい

 

 

だってね・・・

世界に一つしかないコンパスだったんだもの

大事な大事なわたしのコンパスだったんだもの

 

 

たびたび埃を拭っているよ

ピカピカに自分で磨き

いつも懐のポケットに忍ばせているよ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

   □神無月に□

 

 

 

地球の胎内に住んでおられるのは

何でも溶かし再生の釜に戻す火の神様ですか?

 

 

ときどき空の神様に

花火でもお見せしようと赤い火柱を噴き上げるのでしょうか

 

 

深い大地の底に住んでおられるのは

どんなことにも忍耐強い岩の神様ですか?

 

 

ときどき窮屈で苦しくなって

大きな背伸びをするから大地が引き裂かれ揺れるのでしょうか

 

 

わたしたちは八百万の神様に生かされて来ました

いつの世にも八百万の神様に守られて行きます

 

 

時に身に余る果報をもたらしてくださり

わたしたちはしみじみ幸せを味わうことが出来ます

 

 

時に思いもよらぬ悪報を与えられても

先に行ってみれば必ず成長を自覚させて頂けます

 

 

天罰さえも怒りではなく慈しみのしるしであると

わたしは信じているのです

 

 

昔の人々のように

万物に命の営みを見出だし

万物に慈しみと畏怖の念を持っていたいのです

 

 

 

 

 

 

 

   □ふんわりと□

 

 

君は友と楽しい時を過ごして下さい

ばんえい競馬にも行ったそうですね

 

 

わたしは誘われても可哀想だから行かない

歴史的由来を知っても嫌だから仕方ない

 

 

君は敵の本を読んで嘘を探して下さい

敵に塩 売上げに協力してあげればいいのです

 

 

わたしは読みません

恐怖のピエロより厄介な 素顔のピエロの儲け協力なんて 絶対しませんから

 

 

無邪気な人だから笑顔で

昔よりゆったりと寄り添っています

 

 

自由な人だから時々片目で

昔よりゆっくりと眺めています

 

 

今はふんわりと好きだからね

昔よりのんびりと一緒がいいからね

 

 

 

 

 

 

 

 

 

   □ひそひそ話□

 

 

うっかり真っ逆さまに落っこちるのはいいけど

堕ちたらだめだよ

 

 

ロマンチストは恋を追いかけるのもいいけど

追い越したらだめだよ

 

 

針が振りきれるほど突っ走るのもいいけど

時には歩かなきゃだめだよ

 

 

ハラハラするような気持ちで見守る人たちがたくさんたくさんいるって

忘れちゃだめだよ

 

 

もう何年会ってないだろう

都会にはもう行けないから

君が会いに来て

 

 

 

   □愚者の呟き□

 

 

分かってもらえんかなあ

 

 

いい加減に考え言葉をたがえるのと

ちゃんと考え主張を変えるのとは

意味が違うってこと

 

 

なんで分かってもらえんかなあ

 

 

いつも自分が正義とばかりに胸を張り

正論だから正論とだからと大上段

聞く耳はあると言いながら 

こちらに言わせれば ない!

 

 

賢い人はこれだからなあ

 

 

賢い?それがどうした?

わたしの心の声は

天才秀才より人格者を選びたいってだけの話

 

 

考えと考えがぶつかる

正義と正義が競り合う

上手く折り合いつけば少しの進化

愚者はこれだから苦労するってわけだ

   □愛犬□

 

 

もしかして・・・だめだったのかな

 

 

手伝ってと言われなくなったし

会ったときも避けるような

いつもより無口でそそくさと帰るし

 

 

痛いところに踏み込まれるのは誰より嫌いだろうから

一切触れずにいるつもりだ

元気だしてと言われるだけでヒリヒリするだろうから

切り出されるまで黙っておくつもりだ

 

 

そういえば

歌を聞きに行く約束が近いけれど断ってあげたいような

気を使われると嫌がるけれど

特別辛いときはそれもありじゃないか

 

 

仕事をあがって夜ひとりになると

哀しみに沈んでいるだろう

共に活躍した思い出が去来しては

命の儚さを嘆くだろう

 

 

幾つも命を見送って来たとしても

そのたびそのたび一匹分の涙にくれているだろう

別の世界で走り回りながら

またそこで会えるまで待っててと心で話すのだろう

 

 

うちの子もそのうち

別れを告げることは避けられない

いま この命を精一杯慈しんでやろう

年老いたこの命を一生懸命大事にしてやろう