いっそのこと
泣いて・・・しまいましょうか
まだ 桜も散らぬというのに
いっそのこと
諦めて・・・みましょうか
まだ 月も満ちぬというのに
庭の隅っこの 古い古い小さなお墓には
思い出をぎっしり紡いでくれた 懐かしい子達が眠ってる
ほら 柔らかな毛が手に触れたでしょう?
懐に飛び込むのが上手い三毛猫と 傍らに寄りかかるのが上手い白い犬と・・・
そういえば 汗ばむような陽気にほっぺもおでこもトマト色に染め
息を切らしてかけ戻って来たのを覚えてるでしょう?
新品の赤いランドセルを下ろして
玄関先の板場に眠り込んじゃった子・・・だあれ?
春眠の つかの間の走馬灯
粗い粗い映像は まるで8ミリ映画のように
昼下がりのリビングを 駆け抜けていきました