もしかして・・・だめだったのかな
手伝ってと言われなくなったし
会ったときも避けるような
いつもより無口でそそくさと帰るし
痛いところに踏み込まれるのは誰より嫌いだろうから
一切触れずにいるつもりだ
元気だしてと言われるだけでヒリヒリするだろうから
切り出されるまで黙っておくつもりだ
そういえば
歌を聞きに行く約束が近いけれど断ってあげたいような
気を使われると嫌がるけれど
特別辛いときはそれもありじゃないか
仕事をあがって夜ひとりになると
哀しみに沈んでいるだろう
共に活躍した思い出が去来しては
命の儚さを嘆くだろう
幾つも命を見送って来たとしても
そのたびそのたび一匹分の涙にくれているだろう
別の世界で走り回りながら
またそこで会えるまで待っててと心で話すのだろう
うちの子もそのうち
別れを告げることは避けられない
いま この命を精一杯慈しんでやろう
年老いたこの命を一生懸命大事にしてやろう