□雨、雨、そして雨□

 

 

素敵な雨のお話―

 

 

その傘は

雨宿りの恋人たちを

元の主からの爽やかな博愛に包んで

恋の1ページのささやかな栞になったのでしょう

 

 

雨上がりの偶然―

 

 

その歌うたいは

路上パフォーマーの声に誘われ

懐かしい曲を共に歌って

明日への一歩に確かな勇気を授けられたことでしょう

 

 

わたしの小雨―

 

 

昼下がり無人の墓地

遠に見送った父さんと兄さんに花束を供え

遅ればせの命日を詫びたとき

やっと安堵の時計がわたしを刻み始めたようです

 

 

かの地の豪雨―

 

 

時に多くの命も希望も押し流し

財産も思い出もふるさとの景色も奪いゆく現実を見せつける

わたしは穏やかな雨の恩恵たちを感謝しつつ

あの痛ましい魂たちの平安を祈るばかりです