desi-kamo’s diary

単なる渾沌形独り言

   □時の遺児□

自分は同じところから抜け出せずにいるよう

まさかの置いてきぼりなど望んでる訳ではないが

 

 

誰かならとっくに先へ行ったよう

夢に生き続けようとする者には過去など枷になるだけなのだから

 

 

もし恥ずかしげもなく自己弁護を許されるならば

たった今掘り出したばかりの化石のように

ひんやりとした剥き出しの傷痕にも

確かにそれなりの情理はあると

 

 

形のないささやかな特別がたぶんあって

人が思いつく限りの何かで遮ろうとも

例えば水が

やがては低い所に戻り混ざり合っていくように

確かにそれなりのそれがいつかはと

 

 

何事か善き事をなす者は

空の端々にまでその思いを並べ雨に含めて降らせるだろう

 

 

何かの特別を信じる者は

小さな爪痕を残そうと言葉の海に溺れあがくだろう

 

 

 

時はすべての神 時はこの世のすべての父母(ちちはは)

すべての出来事こそわたしの父母 わたしは過ぎ去った時の子供 

 

 

定規の目盛りより正確に刻まれる時の懐で

生きられる限り生きたなら

時の息子も時の娘も

幸せだったと言いたくなるのだろうか