desi-kamo’s diary

単なる渾沌形独り言

    □龍の国□

空を突き抜けたところに

とても視力のいい鳥たちが飛んでいるそうだ

 

 

この青い星を

いつもくまなく見張っているらしい

 

 

大きな大陸の傍

大きな海の端

そこに龍のかたちをした小さな国があるそうだ

 

 

虫の鳴き声を

美しい音色にとらえる耳をもつ人々の住む島らしい

 

 

万物に神を見るおおらかさや

譲り合いの精神も

まだ残る国らしい

 

 

龍の心臓あたりで

政治家たちは

あしたを呑気に夢見ていたそうだ

 

 

赤い虎に尻尾を狙われるのを恐れ

薄目をあけて見張っていたが

 

 

痛みもないうちに

気づかないうちに

実は頭部をあちこちかじられていた

 

 

鋭い牙は

子をくわえるように

やんわり喉笛に当たっているらしい

 

 

龍がもしこのまま

喉を噛まれ頭を食いちぎられるなら

その心臓や胴や尻尾だけで生きながらえられるのか

 

 

龍の島

龍の国は

いったい

どうなってしまうのだろう